7月28日から、フィリピン・セブ島に10日間ほど滞在した。
セブ島といえば、グァム、サイパン、プーケット、などと同じようなリゾートエリアという印象がとても強いため、いつも聞かれるのは、以下の2点である。
「なぜセブ島に行くのですか?」
・・・それは、自社開発センターがあるから。
「では、なぜセブ島を選んだのですか?」
・・・それは、高い英語力と低いコスト、というアドバンテージがあるから。
むろん、リゾートエリアという側面もある。
ちなみに、リゾートホテルがあるのは、実はセブ島ではなく、2本の橋でつながっているお隣のマクタン島に多数存在する。ちょうど「東京ディズニーランド」が東京ではなく隣の千葉にあるのと同じように、何故かマクタン島のリゾートエリアを総称して「セブリゾート」と呼ばれることが多いようだ。
では、セブ市自体はどのような感じかといえば、人口や雰囲気から言って、ちょうど仙台と似ている。つまり、リゾートとは程遠い雰囲気で、立派な町を形成している。ただし鉄道は無く、移動手段は車やバイクのみ。時折渋滞することもあり、かつ南国特有のおおらかさも手伝って、待ち合わせ時間もずれることがほとんどで、とてものんびりとしたお国柄ではある。
今回の渡航期間中に、果たしてどこまで情報武装をすることができるか、色々と試してみた。
●PCの通信カード
私は日本ではPCをネットに接続する際、使い放題のE-mobileをUSBに差して使っているが、それと同じようなものがフィリピンでも存在する。いくつかのキャリアから選択出来るのだが、今回使ったのは、SMARTというキャリア。レストランの奥の方だと接続できない場合があったが、それ以外はほとんど問題なし。
ちなみに、フィリピンはあっちこっちのレストランやショッピングモールで無料のWi-Fi(無線LAN)が提供されているので、SMARTのモバイルカードが使えなくても不自由さはほとんど感じなかった。
強いて言えば、プリペイド方式なのでつけっぱなしにするとチャージがなくなる可能性がある、ということぐらいか。今回の10日間の滞在中に、チャージを気にせずまずは普通に使ってみたらどうなるか試してみた。普通にネットサーフィンしたり、ファイルをダウンロードしたりと、けっこうヘビーに利用したが、使ったチャージ金額は200ペソ(400円)ほど。これはとんでもなく安い!
ちなみに、USBデバイス自体も約2000円と破格!
フィリピンでノートPCを持ち歩く方はぜひ準備されることをお勧めします。
●スマートフォン
セブ開発センターの立ち上げ当初は、頻繁にセブに渡航していたので、ローカルで使える携帯電話を持っていたが、渡航頻度が一時期極端に少なくなったため、当時持っていた番号が使えなくなっていた。したがって、このところ渡航時はローミングさせたドコモ携帯を使っていた。
今回新たにローカルで使える携帯番号を取得するため、まずはSIMとプリペイドカードを購入し、昔の携帯電話を使っていたが(当然のことながら、SIMロックがかかっているドコモの携帯では使えない)、古い機種なので、電話をすることと、ショートメッセージを送るだけしか使えない。今回携帯端末でネットサーフィンをしてみたり、メールをチェックしたり、Twitterでつぶやいたりしてみたかったため、現地でスマートフォンを購入してみた。
機種は、HTC社のDesireというスマートフォン。
「Desire」=願望、羨望・・・良い名前だ。
これは、メニューは全て英語だが、いわゆる海外製品なのでSIMロックがかかっていない。そして、購入する際に身分証明書も不要、住所も不要・・・書いたのは保証書に記載するためのTEL番号と名前のみ。家電を買う感覚で、デパートで普通に購入できた。
そして、さすがSIMロックフリー、日本から持参の、ローミング中のドコモ携帯に入っているSIMを抜いて、HTC Desireに入れたら、普通に使えたことにまず感動(当り前か・・・)
このスマートフォン(というかどんな端末でも)、キャリアに縛られているわけではないので、端末にひもづいた月額契約料は存在せず(選択できるが稀)、単にSIMとプリペイドカードを購入すれば電話だろうがSMSだろうがネット接続だろうが普通に使える。これはSIMロックフリーの端末でないと出来ない芸当ではあるが、日本以外のワールドワイドでは極めて普通であり、改めて「ガラパゴス列島・日本」という言葉が頭によぎった。
●今回特に感じたこと
フィリピン・セブ市内では、至るところでフリーのWi-Fiが使えた。店に入っても「Wi-Fiを使いたいのでID教えて」と聞くと、すぐに教えてくれる。
それは「自分だけが利用できるようにして他人には使わせない」というポリシーではなく、「使えるものは細かいこと言わずに皆で使おうよ」という考えが根底にあるような気がした。これも、おおらかな国民性なのかもしれない。