サイバーテックは「ITによる社会貢献」を掲げ、自社で開発したソフトウェア製品を提供することを目的に、1998年に創立しました。
国産ベンダーの良いところは、ユーザに寄り添い、要望をスピーディに取り入れながら、ソフトウェア製品やサービスを継続的に提供出来る点にあります。逆にいえば、ムラ社会である日本国内で顧客を裏切るような行為は、やがて大きなしっぺがえしが来ることになるのではないでしょうか。
一方で、家電やその他様々な製品と同じく、ソフトウェア製品にもライフサイクルが存在します。欧米流(?)の株主重視経営だと、利益率が低い、あるいは単体で赤字になるような製品に関しては、提供を打ち切るべし!という判断になりがちと思いますが、ソフトウェアは特にそういった判断がなされる事が多い感じがします。
つい先日、サイバーテックのドキュメントソリューション事業と関係性が深いアドビ社が提供する、Webサイト作成ソフトウェア「Adobe MUSE」の打ち切りが発表されました。
今後のスケジュールは以下のようです
- 2018年3月26日: 開発終了アナウンスおよび機能強化版リリース(これ以降の新機能の提供は無し)
- 2019年5月20日: サポート終了(利用継続は可能だけれども、不具合を修正するパッチは提供されなくなる。コミュニティフォーラムの利用は可能)
「Adobe Muse」は、クロスブラウザー対応のWebサイトをコーディングなしで制作できる特徴を持ちつつ、アドビ社が運営するビジネスサイトのホスティングサービス「Adobe Business Catalyst」へ公開することも可能という製品です。
アドビ社側は、今後「Adobe XD」への移行や、シングルページ又はランディングページなどを作るには「Adobe Spark Page」を推奨しているようです。「Adobe XD」はPNG、SVG、PDF、JPGで書き出せるようですが、「Adobe Muse」のようにWebサイトに公開できるHTMLコードレベルの書き出しが出来ないようなので、利用したら最後、完全に囲い込まれるということになります。つまり、仮に「Adobe XD」の開発が終了したら、逃げ道がなくなる、ということに・・・(^^;
さらに、「Adobe MUSE」で作成したWebコンテンツの配信先として存在した「Adobe Business Catalyst」のホスティングサービスも、2020年3月26日に終了することがアナウンスされているようです。
「Adobe MUSE」の場合、HTMLやCMSの知識は必要ですが、作成したWebコンテンツを書き出して別のCMSで更新を継続するという、手間はかかるが代替手段があります。したがって「Adobe MUSE」の終了は100歩譲ってまぁよしとしても、パブリッシュ先のサーバ側も打ち切りというのは、今まで便利だから配信先を「Adobe Business Catalyst」にしていたユーザにとって、まるで手のひらを返されたような感じではないでしょうか。
今回の件はCMSやWebサイトの制作という局所的なお話ですが、なぜこうも外資企業は、ポンポンとソフトウェア製品の提供終了を、しかも直前まで盛り上げておきながら、実施するのか、分かりません・・・
サイバーテックは、Webサイトの運用・運営代行や、コンテンツ移行サービスなども提供していますので、「Adobe MUSE」で構築されたWebサイトをWordPressなどのCMSにコンテンツ移行することは得意としています。どうにかしてクリエイターの方々の救済(?)ができればと思いますので、ぜひお問合せください!
⇒ WordPressへのコンテンツ移行「シーサーコーディング」はこちら
「Adobe MUSE」関連は、継続してウオッチしていこうと思います。