最近、Google、Adobe、DropBox、SalesForce等日本でも有名なIT系の会社が、アメリカへ入国禁止措置に対して対抗措置のための共同戦線を検討する、というニュースがありました。なぜ日頃仲の悪いあまり協力的ではない企業が協力しているのか、なぜIT系ばかりで他の業種は参加していないのか。
これらのIT系企業にとって世界中から優秀な人材を確保することが、彼らのビジネスにとって・・・大統領令に対抗する程に・・・非常に重要であることを意味していると考えられます。
プログラム開発環境は昔に比べて格段に便利になりました。デバッグ、コミット、デプロイ、テストがいつでもシームレスに出来るようになりました。新しい言語やフレームワークによって、ロジック以外の部分のコーディングの必要性はかなり不要になりました。つまり、具体的には単純で簡単で反復的なコーディングというものは不要になりました。またコーダーのために詳細な設計書を作る意味はほぼなくなりました。詳細設計書を作るよりコーディングするほうが速いからです。
また、ある程度スキルのあるプログラマが一つの画面を作って、少しスキルレベルが劣る他のプログラマが、コピペして必要な部分を変更するという方法も過去の話となりました。フレームワークのおかげで変更する部分が少なくなったので、ある程度スキルのあるプログラマが最後までプログラミングを行う方が効率的であることも多々あります。その代わりプログラマに求められることは高度になりました。
まず最近のプログラマに求められるのは、顧客(自社ソフトの場合は自社内)とコミュニケーションを取りながら、ふわっとしたアイデアや、(しばしば)隠されている真のビジネス要求を理解して提案すること。時にはモックアップを作成して詰めていくことではないでしょうか。
同時に、最適なアーキテクチャやシステム構成を検討し、リアルタイムでスケジュールや予算を見積り、顧客が重要視する事柄を見極め、機能・スケジュール・予算のトレードオフから最適なものを提案していくことも求められます。そして保守性が高く、将来の機能追加に耐えうる設計をし、実装・テスト・デプロイをスピーディに行うことも必要です。また上記を実現するために最新のプログラム言語・フレームワークの情報を常にアップデートし、常に新しいものがリリースされる関連ソフトウェアにも精通している必要があります。
これら全てのスキルが備わっていると、現在求められる優秀なプログラマといえるでしょう。正直に言って、自分も含めてほとんどお目にかかったことはありません。世界的にも絶対数が少ないといえるでしょう。だからこそ、そのようなプログラマはシリコンバレーでCEOよりも高給取りになっているし、大統領令に逆らってまで確保しようとするのでしょう。このようなスーパープログラマははたしてフィリピンにいるのでしょうか?
次回はフィリピンで優秀なプログラマを確保できるのかどうか、出来ないのであれば、どうしたらよいのか、といったことを検討してみたいと思います。
ライター:nagata
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