PHPとは、WebアプリケーションやWebサイトなどのアプリケーション開発に適したスクリプト言語で、サーバーサイド(ホームページなどを置いておくWebサーバー)で動くプログラミング言語です。PHPの得意分野は、ユーザーが入力した内容や、データベースにあらかじめ格納しておいた情報をもとにして動くWebアプリケーションの開発です。
PHPはHTMLに組み込むだけで簡単にWebページに動きを与えることができます。HTMLを書きながら要所にプログラムを書き込むことが可能で、条件によってページ内容の書き換えができます。PHPを使ってWeb開発を行うことで、ブラウザに表示するコンテンツをプログラムで動的に組み立てることができます。
このように、HTMLとPHPを組み合わせることで、豊かなサイト表現ができることから、個人ブログからECサイト、大企業の公式Webページやオウンドメディアなど、多くのWebサービスでPHPが採用されています。また、PHPは開発支援ツールも充実しており、GitHubが2021年に発表した「長年使われているトップ言語」によると、PHPは6位に入っています。その利便性から多くの開発者から人気があり、世界的にも高いシェア率を誇ります。
PHPでWeb開発をするメリットは数多くありますが、もっとも大きなメリットは「読み込み速度が速い」ということでしょう。
WebサイトをPHPで構築した場合、他の言語で構築したWebサイトよりも表示速度が上がるため、SEOの観点からも、とても重要な要素です。読み込み速度が遅いと訪問者の離脱率に直結することも多く、GoogleもWebページの表示速度が検索上位表示の要因の一つであることを公表しています。
また、PHPにおけるオフショア開発の容易さはコスト削減につながります。前述でも述べた通りPHPは世界中で幅広く開発に利用されている言語です。海外の企業、もしくは海外に拠点を持つ企業をアウトソーシング先として選択することでコストの削減が出来ます。日本国内では実現できない低コストで開発ができるのはPHPの強みと言えるでしょう。
上記ではメリットについて書いてきましたが、本稿ではPHPが抱えるデメリットについて解説していきます。最もよく指摘されるデメリットは「セキュリティの脆弱性」と「文法の自由度」の2つです。
他の言語と比べPHPはセキュリティの脆弱性を指摘されることが多いプログラミング言語です。常にアップデートを繰り返すことで対策はされていますが、セキュリティに関する懸念は完全には払拭されていないと言えるでしょう。
一般的に脆弱性が指摘されている場所は、アプリケーション、Webサーバーとデータベース、ネットワーク環境、PHP自体が挙げられます。
PHP自体とWebサーバー、データベースについては、もし脆弱性が発見されたとしてもすぐにアップデートすれば、問題はありません。ネットワーク環境の脆弱性もよく指摘されていますが、これはSSLの導入によって対策が確立されています。PHPを利用する際はSSLを忘れずに導入したほうが良いでしょう。
また、PHPは構文がシンプルで学習難易度が低く、初心者にとって習得がしやすいところはメリットとなりますが、文法を自由に配列できるため定義の自由度が高く、意味的には同じ処理もその書き方は何通りも存在します。そのため、エンジニアによって記述にばらつきが生じやすく、長期運用における保守性を低下させてしまう原因になってしまうこともあり、デメリットともいえるでしょう。
例えば、PHP以外のプログラミング言語であるPythonは、最善の方法をひとつだけ実装するという設計思想のもとに作られています。文法に決められた答えがありその通りに記述しなくては動きませんが、結果的に記述のブレが少ないコーディングになります。また、そのようなポリシーであるために、Pythonの言語仕様は非常にシンプルです。
前述の通りPHPの場合、自由度が高すぎるゆえにトラブルを引き起こすこともあります。しかしプログラミング言語の敷居を下げてくれる面でもあり、PHPが全世界に普及した理由のひとつであるといえます。
PHPでWebアプリケーション開発を行う際は、PHPのプログラミングに精通したエンジニア、もしくは企業に作業を依頼することをぜひ検討してみてください。
ライター:Iwabuchi
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