中国からは完全撤退する、という判断は行いましたが、オフショア開発自体もあきらめるという判断はまだ行っていませんでした。中国で顕在化した「カントリーリスク」「コミュニケーションリスク」の2点が解消でき、かつ十分なコストメリットが得られるのであれば、授業料を払ってせっかく得られた様々なノウハウを活かす意味でも、オフショア開発に再トライする事はありかもと考えてはいました。かつ、当時盛んになっていたBPOやITアウトソーシングの海外委託を受託することも視野にいれたいとは考えていました。ただし再トライするにしても、今回が最後と考えていました。
中国でオフショア開発を目指したもう一つの理由に、将来的に自社ソフトウェア製品を展開する、という目的がありました。中国に展開する、という案が消えた中、向かう先はイスラム圏か英語圏しかありません。イスラム圏は全くの未知であり、さらにリスクも高そうですし、そもそも市場性もわかりません。「ITによる社会貢献」をかかげ、ITの分野で事業を進めているからには、「ITの聖地・北米」への進出、ということをいずれ掲げよう、という軸を設定しました。
当然、英語圏で勝負するには、最低限準備として、会社として英語力を手に入れる必要があります。と同時に、英語圏でオフショア開発やBPO・ITアウトソーシングのプロジェクトを進める、ということは、中国で苦労した「コミュニケーションの断絶」も大きく回避できるのではないか、と考えました。たとえカタコトでも、日本人が英語を使ってコミュニケーションが出来たほうが、完全にブリッジ役が抜けるとどうしようもなかった中国での状況と比べると、各段にプロジェクト運営リスクもなく、双方のストレスも少ないはずです。
そもそも、プロジェクトマネジメントや会社同士のコミュニケーションだけではなく、単に現地で活動する事においても想像以上に中国では苦労しました。しかしながら、私も含め日本人は第2外国語として英語を学んでいますから、英語圏だとオフショア開発や、BPO・ITアウトソーシングといったプロジェクトマネジメントにおいても、何とか意思疎通をすることが可能なのではないか、と考えました。
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