株式会社つなぐネットコミュニケーションズ様
マンション入居者向けのコミュニティ・サイトを企画・運営する同社では、サイトの行動履歴の保存にXMLデータベース「NeoCoreEX」を採用したシステムを新しく構築。将来的に分析に必要な属性がいつ、どれだけ増えても良いよう、拡張性のあるXMLフォーマットを採用し、サービスイン後のシステム拡張コストを抑制。
Webサイト行動履歴データベースシステム
株式会社つなぐネットコミュニケーションズ
多様化・変化するマーケティングデータをXMLデータベースで保存。
サービスイン後のシステム変更・データベース拡張コストを最小限に抑える。
背景
「マンションのIT化を通じて、マンション生活をより豊かにする」ための、各種サービスを提供している、株式会社つなぐネットコミュニケーションズ(以下、つなぐネットコミュニケーションズ)は、2001年に丸紅株式会社、三菱地所株式会社、東京建物株式会社の三社共同出資により設立された。
「マンションのIT化を通じて、マンション生活を豊かに」をコンセプトに、インターネット接続サービスを中心とした企画・サービス提供の他にマンション販促Webサイトの構築、ネットプロモーション、アクセスログ分析などのマーケティング活動支援事業を展開している。同様のサービスをキャリア系企業やベンチャー企業が手掛ける中で、つなぐネットコミュニケーションズは、マンションを分譲している会社のグループ企業である特長を生かしたトータルサービスの提供が強みだ。
「Chorocobi(チョロコビ)」(http://chorocobi.jp/)は、同社が提供するコミュニティ・サイト。同社のマンション向けインターネット接続サービス「e-mansion」のユーザー(約16万世帯)を対象とした、家族・友達同士のコミュニケーション機能と女性を中心としたライフスタイルに役立つコンテンツを提供している。
マンション居住者に限定したSNSと、マンションライフに役立つコンテンツを提供している点で他のSNSサイトと大きく異なる。同じマンションの居住者だけでなく、「e-mansion」を導入しているマンション居住者であれば全国の誰とでもコミュニケーションをとることができるのも大きな特長である。
システムの概要
「Chorocobi(チョロコビ)」は、3つのサブシステムから構成される。ひとつ目は利用者がアクセスするフロント系のWebシステム、2つ目は会員管理・広告管理といった業務系システム、3つ目は利用者の行動履歴やアクセスログを蓄積し管理・分析するバックエンド系のシステムである。その中でも行動履歴やアクセスログを管理・分析するバックエンド系のシステムは、通常のアクセスログ解析やコンテンツ参照履歴の分析の他に、より深く利用者の行動特性を分析する必要があるため、システムに保存するデータ形式は、拡張性のあるものでなければならなかった。
そこで、「Chorocobi(チョロコビ)」サイトの行動履歴データについては、将来的に分析に必要な属性がいつ、どれだけ増えても良いよう、拡張性のあるXMLフォーマットが採用された。さらに、そのXMLデータを格納するデータベースに関しては、「マーケティング属性は、時代や地域、さらにはマンションに居住する住民の嗜好によって変化するため、あらかじめ決められた項目にしかデータを格納できないリレーショナルデータベースでは限界があると感じていた。」(つなぐネットコミュニケーションズ マンションサービスグループ ジェネラルマネージャー 小林 暁氏)
そこで、同社では、「Chorocobi(チョロコビ)」の企画段階からシステム構築までを一貫して担当した、株式会社ビズライト・テクノロジー(以下、ビズライト・テクノロジー)と共に、XMLデータベースの導入検討に取り掛かった。しかし、つなぐネットコミュニケーションズは過去にXMLデータベースの導入実績がなく、その導入に際しては、システム部門の理解を得ながら慎重に進められた。「Chorocobi(チョロコビ)」のシステムでは、Webフロント系・業務系のデータベースが、オープンソースのRDBを採用する事が決まっていたため、ライセンス費用と保守費用が必要な商用XMLデータベースの導入に当たっては、その必要性と導入メリットを明確にする必要があったと言う。
このような状況の中で、XMLデータベース採用の決め手となったのは、「サービスイン後のシステムやデータベースの拡張に必要なコストや手間を最小限に抑えることができ、さらに将来にわたって、データ項目を自由に拡張できる点」(小林氏)であった。
その後、ビズライト・テクノロジーは、つなぐネットコミュニケーションズの依頼を受け、XMLデータベース製品の評価と選定を行った。しかし評価前は、XMLデータベースの導入に対する不安があったという。
「以前からXMLを使ったシステム開発やデータベースと連動したWeb系システムの開発は行っていましたが、XMLデータベースを用いた構築は今回が初めてでした。しかし、調査や検証を十分に行った事でその不安は徐々に解消されました。」(株式会社ビズライト・テクノロジー 代表取締役 田中 博見氏)
ビズライト・テクノロジーでは、フリーのXMLデータベースも含め5種類のXMLデータベース製品を比較検討し、入念なパフォーマンス検証を行った。
「パフォーマンス検証では、ほとんどのXMLデータベースがある限界点を超えるとパフォーマンスが極端に悪化しました。それに対し『NeoCoreEX』は、データの書き込み・抽出の両面において安定したパフォーマンスが得られたのです。」(田中氏)
行動履歴データは、利用者のアクセス増加に対して、指数関数的に増加するという特長があるため、安定したパフォーマンスが得られるという点は、評価段階において最も重要なポイントとなった。さらに「NeoCoreEX」は、データ項目の追加に対してシステムを停止させることなくダイナミックに行えるという点も高い評価を得た。「NeoCoreEX」を使った開発を行うに当たり、実際に設計・開発を担当するエンジニアに対して最も注意を払った点について、田中氏は次のように語った。
「XMLデータベースの開発経験がないエンジニアに評価や選定を丸投げするのではダメ。トップダウンでXMLデータベースの採用を決断し、設計手法も RDBと異なるという事を明確に伝えました。」
このような方針の元、「Chorocobi(チョロコビ)」の開発が約3か月という驚異的なスピードで完了したのは特筆すべき事である。さらにビズライト・テクノロジーは、この開発プロジェクトを通じて新しい技術や製品に対して「チャレンジする姿勢」を明確に打ち出す事ができた、と田中氏は強調する。
今後の展開
「Chorocobi(チョロコビ)」の今後について、小林氏は次のように語った。「今後は"マンションのIT化を通じて、マンション生活を豊かに"の理念の下、マンションISPから更に進んだ、マンションライフサービスプロバイダとして、様々な領域でITを活用したサービスを提供していきたいと考えています。」
また、システムの観点からは、「システム開発コストを最小限に抑え、短期間で開発するという強みはそのままに、お客様が求める"ベンダーとしての独自性" を持って進んで行きたい。その際には、今回の『NeoCoreEX』のような柔軟性のある拡張性の高いデータベースの活用シーンが増えるであろう。」(田中氏)と明言している。
常に新しいものを取り入れて行くという姿勢は、今後も業界のパイオニアとしての役目を果たしていくに違いない。顧客満足度を追求するために既存のものとは異なる方法で成功を収めた両社の、先駆者としての役割に今後も期待したい。
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