株式会社ニーズエージェンシー様
従来までExcelで管理していたカスタマーサポート業務を見直し、Biz/BrowserとXMLデータベース「NeoCore」を組み合わせた、カスタマーサポート管理システムを新しく構築。これにより、問い合わせ情報の一元管理と入力・集計業務の工数およびコスト削減を実現。
カスタマーサポート管理システム
Biz/Browser NeoCore
株式会社ニーズ エージェンシー
Excelでの問い合わせ情報管理をXMLベースのDBシステムに移行。
開発工数およびランニングコストを従来の半分以下に削減。
背景
システム開発を中心にコンサルティングから保守、パッケージソフトの販売・企画まで幅広く事業を展開するニーズ エージェンシー。常にユーザ視点に立ったサービスをモットーとする同社はソフトウェア各メーカーからの信頼も厚く、コンシューマ向けパッケージソフトの保守、およびパッケージへの問い合わせ応対業務等も請け負う。主にメーカーコールセンターの2次受付として障害サポートを提供するが、同社では、この度、「Biz/Browser」と「NeoCore」を組み合わせたカスタマーサポート管理システムを構築し、応対業務の効率化と問い合わせ情報のDB化に成功した。
システム構築の背景について、プロダクトシステム部 CSグループの渡部氏は次のように語る。
「従来、問い合わせ情報については、Excelを使った『問合せ案件一覧』と『問合せ案件詳細』の2つのファイルで管理していました。しかし、問い合わせの件数の増加に伴って、更新の際にステータス等のデータのズレが生じたり、また、すべて手入力で行っていたため、必要なデータ(障害の分類等)の記入漏れが発生したりしていました。月に一度、クライアントに集計レポートを提出するのですが、集計の前の整合性チェックに時間が掛かり、また、Excelからのデータ出力も自動化されておらず、手計算で非常に煩雑でした。数百件にも及ぶ案件をミスなく、さらに短時間でこなしていくには、やはりシステム化が必要でした。」
システム構築にあたって、同社では大きく4つの要件を設定した。
まずは「短期間で開発」できること。人手による入力・集計作業では負担も掛かるし、ミスも起こり得る。現場業務の品質向上のためには、カットオーバーを急がなければならず、開発コストを抑えるためにも短期間での開発は必須要件だった。
次に「低コスト」であること。Excelではこなしきれない業務、かといって大きな投資ができない業務へ適したコストアプローチが必要だった。
3つ目は「柔軟な保守対応」。メンテナンスの度に開発担当者が作業するのではなく、業務担当者レベルでも必要な項目の追加や使い勝手の変更が可能な柔軟で容易なシステムが求められた。
最後に「他の業務システムへの展開」。今回のシステム構築をベースに、社内で同様にExcelを使って管理している業務に対して、容易に展開できることが大切であり、全社的な業務改革のベースとなるシステムであることが要件として挙げられた。
これらを満たすシステムとして検討したところ、まずフロント側には、アクシスソフト社のWebプラットフォーム「Biz/Browser」が選ばれた。「Biz/Browser」はリッチクライアントのひとつで、開発ツールである「Biz/Designer」と組み合わせて、きめ細かな項目の設定ができ、使い勝手の良い画面構築が容易にできることが特徴だ。また、静的な画面情報をコンパイルしキャッシュして、動的なデータのみサーバから取得することで、高速画面表示を実現する。さらに開発言語であるCRSはJavaScript記法互換で、XMLデータの取得/変更も容易に可能だ。そして、この「Biz/Browser」との親和性、さらに柔軟性を加味してDBとして選択したのが、スキーマ定義不要のXMLベースの「NeoCore」だった。この組み合わせにより、「設計と製造工程で大幅な時間の短縮ができた」という。
「特にスキーマレスの『NeoCore』の場合、モデリング等の作業がいらず、項目さえ決まっていれば、タグを使って管理できますし、変更があっても後から自由に対応できます。また、関連項目なども属性のタグで処理できるので非常にスムーズ。データ自体がスリムアップされましたね。また、変更の際もRDBのように仕様変更やテーブル変更などの煩雑な作業が要らず、画面を設計しながら、DBをまったく意識させないところが魅力です。」(システム開発部 田辺氏)
実質、開発期間は「Biz/Browser」と「NeoCore」の調査(Fit&Gap分析)を含めて、わずか1か月程度。従来型のRDBでの開発に比べて、「人」「時間」「コスト」のすべてにおいて、2分の1程度で済んだという。
システム概要と効果
新稼働したカスタマーサポート管理システムの概要は、以下の通りである。クライアント側PC上で「Biz/Browser」が稼動し、サーバ側とはHTTP連携により、Webサーバにapache、DBサーバに「NeoCore」が据えられている。リモート回線を介して、モバイル端末からのアクセスも可能だ。
「RDBの場合、連携の部分で専用のコネクタやバージョン設定など、非常にシビアな選定が必要ですが、『NeoCore』はHTTPで連携できるため、容易に構築できました。」(田辺氏)
機能面では、ユーザ認証/ユーザ権限管理をはじめ、案件情報登録、案件情報検索、案件情報更新、統計情報出力が可能だ。特に登録画面では、エラー(障害)区分やエラー内容、エラー発生環境、回答例などの項目が設定され、必須項目についてはシステムで制御され、ブランク等はアラームを表示させることで、入力漏れを防いでいる。また、1枚のExcelファイルでは管理に限界のあった多数の項目をDB化し、一元管理することで、更新の際に起こっていたデータのズレを解消している。さらに、これらの入力項目については、随時変更が可能なため、ランニングコストの大幅な削減が実現した。
「『NeoCore』ならば、実際に運用していて、ここはこうした方が良いな、という所を自分で変更を掛けられます。最初は開発の担当者に修正方法を聞いていましたが、今では画面の使い勝手の変更や、検索項目の変更・追加ならば、現場だけで簡単に対応しています。」(プロダクトシステム部CSグループ 梶井氏)
その他にも条件を指定してボタンをクリックするだけで、必要なデータの集計が自動で行えるなど、導入以前は3人体制で行っていたデータの更新・集計作業が、今では1人で済むようになったという。
今後の展開
現在では業務担当者でこのシステムを保守しており、開発に携わったメンバーは保守に関わっていない。実際に利用してから分かる詳細なシステムの使い勝手などは、業務担当者が自ら修正を行っている。
「問い合わせ業務というものは、やっている人間のモチベーションが非常に大事な業務です。どうしたらモチベーションを上げられるか。そう考えた時、今回のシステムのように『自分達で使うシステムを自分達でビルドアップできる』ことは、まさに現場のモチベーションアップに繋がりますね。自分達で使うものだから、どんどん良くして行こうという考えになりますし、その結果、サポートの品質も上がる。非常に良いスパイラルが生まれています。」(田辺氏)
こうした効果も「Biz/Browser」と「NeoCore」の組み合わせならではと言え、開発スキルの敷居を下げる、卓越した柔軟性と容易性が積極的なシステムづくりを後押ししていると言えるだろう。今後は、ナレッジベースとしての利用を視野に入れ、回答事例の全文検索機能を追加予定だという。社内用FAQとして活用を拡げることで、これまで人頼みだったナレッジをシステムに吸収させて、応対品質の平準化を図ることが狙いだ。また、今回のシステムをベースに他業務への積極展開を図っており、既に営業管理システムが稼働し始めている。しかも開発を担当したのは、新人社員でわずか20日間程度で完成させたという。この他に日報管理や要員管理など、今後の適用範囲は拡いという。
「こうした新たな展開に向けて、今後もメーカーの方々と良い関係を築いていければと思います。現在のシステムが100%だとは思っていませんから、いろんな技術情報や活用事例など、有効な情報を提供していただきながら、より良いシステムづくりができればと期待しています。」(田辺氏)
ニーズ エージェンシーにとって、「Biz/Browser」と「NeoCore」を組み合わせたデータの一元管理システムは、業務改革の有効なトリガーと言え、今後も大きな効果をもたらすに違いない。
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