アズワン株式会社様
ファイル管理型のRDBシステムから、XMLデータベース「NeoCore」を採用したWEBカタログシステム「JUS-TIS」へ移行。研究関連商品、実験機器、半導体関連商品、産業関連商品等、特性の異なる20万点もの商品データを管理し、スピーディーにWEBへ展開することが可能に。
WEBカタログ
アズワン株式会社
WebカタログをXMLベースのDBシステムに移行。
柔軟なサイト表現と高速パフォーマンスで、1日6万PVを達成。
背景
日本最大手の理化学商社であるアズワン株式会社(以下、アズワン)。
商社でありながら、研究関連商品、実験機器、半導体関連商品、産業関連商品等の多くの開発・販売事業を手掛け、さらにこれらの情報を「研究用総合機器カタログ」をはじめとしたカタログやインターネットでタイムリーに提供している。7,500拠点以上のディーラーネットワークや1,000社以上のメーカーとの連携した、スピーディーな先端の商品および商品情報の提供は同社の大きな強みであり、大学をはじめ、民間研究所、民間企業などから幅広く支持されている。
アズワンでは以前からカタログの情報補完を目的にインターネット展開に取り組んできたが、近年、商品数の増加に伴いアクセス数が増え、レスポンス低下に悩まされてきた。そこで、この度、「NeoCore」をデータベースに据えたWebカタログシステムを構築し、検索レスポンスの向上と業務の効率化に成功した。システム構築の背景について、メディア企画部長の金子氏は次のように語る。
「年々掲載商品数が増え、アクセス数も1日3万PVを超えるようになり、レスポンスがかなり低下してしまいました。ひとつの商品の検索に1分以上もかかってしまい、社内外からクレームも挙がっていました。また、従来のシステムはファイル管理型のRDBで構築していたため、メンテナンスも煩雑でした。しかもパッケージだったため、カスタマイズに制限があり、紙のカタログは刷新しているのにWebはずっと同じレイアウトという状態が続いていました。やはり紙のカタログと同じようにWebでも見栄えよく表現したい。これらの問題が重なって、システム改修に踏み切ったわけです。」
構築にあたった株式会社インテックソリューションパワー(以下、インテックソリューションパワー)は、「レスポンスの向上」「メンテナンスビリティの向上」「自由にカスタマイズできる柔軟性」の3要件を掲げ、Webカタログの鍵となるデータベースの検討を進めた。
「カタログ特有の複雑な"親子関係"をいかに柔軟に処理できるかが課題でした。従来のWebカタログでは、1商品1行ずつに項目を並べただけの紹介でしたが、新システムでは、もっと紙のカタログに近い、豊かな表現をしたいという要望がありました。具体的には、ひとつのフレームの中でキャッチコピーや仕様、特長といった商品の明細情報を伝えて、これらをひとつのデータとして、さらに注文コード・型番・寸法・温度・価格などの基本項目を表現する、といった具合です。もちろん、これらの項目は商品ごとに変わってきます。こうした仕組みを考えた場合、やはりXMLの柔軟性は欠かせなかった。いくつかXMLデータベースを試したところ、圧倒的にパフォーマンスが速かったのが『NeoCore』でした。」(インテックソリューションパワー 中川氏)
特にアズワンでは、商品のマスターコードとは別に「注文コード」というコードを持たせている。同一商品でも複数のカタログで紹介する場合、それぞれに注文コードが振られる。実は、このマスターコードと注文コードの紐付けが以前のRDBではスムーズにいかず、レスポンス劣化の原因になった。
「NeoCore」ならば、XMLのタグを使って簡単に表現でき、カタログに合わせたデータ項目の変更もスキーマレスで可能だ。現場の若い開発スタッフにも抵抗なく受け入れられたという。
「『NeoCore』の場合、XMLの知識がなくても、スムーズに入って行けます。現在のデータ構造とX-pathのサンプルを2、3種類教えて、後はモディファイの仕方を教えてあげれば、すぐに使えるようになりました。」(インテックソリューションパワー 太田氏)
こうした開発者の敷居を下げる、使い勝手の良さも「NeoCore」導入のポイントといえるだろう。さらに、「NeoCore」案件を初めて手掛けるインテックソリューションパワーにとっては、数多くの「NeoCore」導入実績も心強かったという。
システム概要と効果
こうして、開発から約4か月で「NeoCore」を核としたWebカタログシステム「JUS-TIS」が稼動した。現在のシステム概要は以下のとおりである。
「NeoCore」を中心に基幹システム、DTPサーバと連携しており、商品のマスタ情報は基幹システムが、紙のカタログ情報はDTPサーバが持っている。PDF(仕様表や商品マニュアル)や、画像や動画など、カタログに掲載されていない情報についても管理され、これらの情報はWebカタログ用にXML変換され、「NeoCore」に蓄積されている。現在、約20万の商品データが、「NeoCore」上で管理されているという。バイヤー企業や販売店、一般ユーザはインターネットを介して、Webカタログを閲覧でき、さらに販売店向け受注システムやバイヤー向けB2B受注システムを通して、購入することができる。
懸念されたレスポンスについては、大幅に改善され、以前は1分近くかかっていた検索が現在では速やかに表示される。
「Webカタログにはリアルタイムの情報が反映されていますから、お客様からの問い合わせ時には社員は必ず見ます。以前は応対中に画面で検索してもなかなか表示されず、後で電話を掛け直すなど非常に業務効率が悪かった。今はそれがなくなりました。」(金子氏)
1日のアクセス数も旧システムの約2倍の6万PVまで増加した。以前は3万PV付近で極端にパフォーマンスが劣化したが、倍になった現在でも安定したパフォーマンスを発揮できているという。もちろん、このアクセス数の増加は「NeoCore」によって、柔軟で豊かなWebカタログの表現が可能になったことも大きい。
「データ表現の世界は、変化に柔軟に対応して行くことと、変化があっても同じ世界観でやっていくことの2つに分かれると思います。Webカタログは、まさにその両面を持っているといえます。そのため、今回のシステムでは商品データベースとWebカタログのページ情報の2種類のXMLデータを持たせています。それによって、基幹システムのマスターデータとの連携も取れ、カタログとしてDTPサーバとも連携が取れるようになっています。バックボーンのところではしっかりと持って、表現の部分は写真や動画、音声を使って柔軟にやりたい。こうした時代のニーズに応えられたのではないでしょうか。」(中川氏)
今後の展開
今後の展開について、金子氏は「Webカタログのフレキシブルな拡充」と語る。既に新システム稼動後、新カタログ発刊に合わせて、Webデザインの大幅リニューアルをしている。その際、データ構成への変更は殆ど必要なく、画面レイアウトを行うXSLTの変更で対応できた。今後もバージョンアップを重ねて、ユーザのニーズに素早く対応して行く構えであり、「NeoCore」ならば、低コストかつスピーディーに実現できるはずだという。また、今後はカタログ発刊前の動きを一本化していくことが課題だという。いわゆる「ワンソース・マルチユース」である。データベース上にデータさえあれば、カタログやWeb、その他のツールに自在に展開できる仕組みだ。カタログの自動組版なども「NeoCore」ならば、大いに期待できる。
一方で集中購買サイトとのデータ連携も拡張していく予定だ。現在、アズワンでは、インテックソリューションパワーとともにB2B向けに2種類のデータ連携を進行中だ。ひとつは中小販売店向けにショッピングモールの貸し出し。もうひとつが大手向けの集中購買サイトへのWebカタログの提供である。販売店が自社でローカルのカタログを作るコストと手間を省き、注文から納期の連絡、出荷までのニーズにXMLベースの柔軟なデータ交換で応える。
「いかに多様なデータ交換フォーマットに対応できるか。そこでXMLが大きく生きてくるはずです。今後はEDIが鍵になってきます。こうした中、常に先端を走るアズワン様の良きソリューションパートナーとして、価値ある事業戦略をサポートしていければと考えています。」(インテックソリューションパワー 西山氏)
B2Bでの展開をはじめ、今後もニーズの多様化は必至だ。「今は変化に自由に対応できる環境になってきた」と金子氏が満足げに語るように、「NeoCore」を軸にしたデータの有効利用は、アズワンのさらなる飛躍に多大な効果をもたらすに違いない。
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