総合重機大手 I社
ジェット機のエンジン整備業務を請け負っている同社は、Excel(VBA)ベースで管理しているシステムを、高い柔軟性を維持しつつ、増加するデータの管理精度を向上させることを計画。元々構造化されたジェットエンジンの構成部品ごとにも異なる多くの属性について階層的に管理する業務であったため、脱Excelを目指し、XMLデータベース(XML DB)にて複雑なデータ管理を実現。
エンジン整備業務の記録文書管理システム
総合重機大手I社
「現場ナレッジの公共化」に向けて。
エンジンの整備業務における記録文書の脱Excelによるシステム化事例
この総合重機大手I社では、顧客からエンジンの整備業務を請け負っている。整備業務の依頼元の顧客及び関係機関に対し、管理精度向上に向けた取り組みが必要となり、整備業務の現場で使用している、「指示書」・「報告書」などの文章をデータとして扱えるシステムが急務となった。従来から、Excel(VBマクロ)で作られたシステムが存在していたが、将来的なデータ量の増加を考慮にいれると、もはやExcelベースのシステムでは対応出来なくなる事が判明した。
製造業の現場では、ドキュメントの一部をデータとして管理したい場合にExcelを利用するケースが多い。Excelにはデータの構造と内容が一体となって織り込まれており、現場で新しい発見や改善点を発見した場合、列と行を自由に挿入する事で、即座に対応する事ができるからである。営業現場だけでなく、製造や品質管理・保守サポートの現場で、Excelが活用されているのはこういった理由である。
Excelをベースとした現場主導のシステムでは、自由度が非常に高い反面、好き勝手に構造が変更可能であるがゆえ、逆にデータの再利用がほぼ不可能となる。さらにExcelは複数名での利用は想定されていないため、パフォーマンス面から考えても現実的では無い。その解決策として、現場が求めるドキュメント性とシステム部門が求める管理性を満たすXMLに着目する企業が多くなっている。
次期システムの検討にあたり、社内で検討されたシステムの要件は以下の内容であった。
これらを実現させる為、数十階層に細分化されて構成されている製品の格納には、理論的に階層構造数の制限がなく、構造の変化に対してシステムの停止を伴わないXMLのデータ構造を用いることが決定された。それらのデータをしっかりと管理し、かつ複雑な階層構造を持ったデータの高速検索を可能とするXMLデータベースとして、サイバーテックが提供する「NeoCoreEX」が採用された。
RDBでこのような階層的なデータを扱う場合には、マッピングという処理が必要となる。RDBで構築したシステムは、階層構造が複雑化・増加した場合に、プログラム及びデータベース設計にかかるメンテナンスコストが増大し、さらにレスポンスも悪化するという、避けて通れない課題がある。
Excelの良いところは、現場が工夫・発見した事象を即座に入力でき、その構造についてもユーザ自身の手で自由に追加変更できる事である。したがって、Excelベースのシステムをデータベースに移行し、Webで公開する際には、その現場性を失わないような工夫が必要となる。一方、Excelは機能が豊富であるがゆえに、導入が簡単なパッケージソフトに置き換えようとしても、現場の自由な発想とアイデアのデータ化を阻害する事がないよう、配慮が必要である。脱 Excelを行い、従来のデータも含めデータベースに移行し、システム構築した上でWebで公開する際には、現場の自由な発想とアイデアのデータ化を阻害する事がないよう、その現場性を失わないような工夫が必要だ。
サイバーテックが得意とするXMLデータベースのシステムは、Excelベースのシステムで実現していた自由な項目の追加・変更といった現場性を維持しながら、データを公共化する事が出来るシステムである。
エンジン整備業務の記録文書管理システム構成は以下の通り。
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