NECメディアプロダクツ株式会社様
NEC製PCのマニュアル制作を手掛ける同社は、従来の編集・制作フローを見直し、データベースに「NeoCore」を据えた、Adobe InDesign連携による自動組版システムを構築。 これにより、マニュアル制作における約20%の工数削減と品質の平準化を実現。
NEC社製PCユーザー・マニュアル作成
ProDIX+Adobe InDesign連携商品
NECメディアプロダクツ株式会社
ProDIX+Adobe InDesign連携ソリューションを活用した、デジタルワークフローの構築で、マニュアル作成工数を20%削減
▲オペレータは、データベースを意識せずにAdobe Indesign上でレイアウトするだけで、XMLによるデータベースが構築できる。
背景
日本電気株式会社(以下、NEC)のグループ会社として、プリンティング事業をはじめ、コンテンツ事業(カタログ・Web・広告・映像の企画/制作および展示会の企画/運営等)、ドキュメント事業(製品マニュアル企画/制作・翻訳/ローカリゼーション等)を展開するNECメディアプロダクツ株式会社。
社名のとおり、さまざまなメディアを駆使した「メディアミックス=総合力」を強みに、あらゆる分野でメディアコミュニケーションを提供している。
また、ISO9001:2000認証の取得をはじめ、1998年12月に印刷業として初めて環境ISOの認証(ISO14001)を取得するなど、生産体制の品質向上および地球環境保全への積極的な取り組みも同社の特色だ。
同社は、パーソナルソリューション部において、NEC製PCのユーザマニュアルやWebサイト、各種カタログ等の企画/制作を手掛ける。中でも年4回作成されるPCマニュアルは、高いユーザビリティと品質で広く知られており、過去にはTC協会主催日本マニュアルコンテストで部門優秀賞を受賞している。
新設されたパーソナルソリューション部は、事業部制を敷く同社では珍しく、役員直轄の独立した部隊である。設立の目的には、それまで別フローで動いていたマニュアル・Webサイト・カタログ制作の各部隊を統合し情報共有を図った"デジタルワークフロー"の確立があった。
そして、その業務改革の中核として今回導入したのが、データベースに「NeoCore」を据えた、ProDIX+Adobe InDesignによる自動組版システムだ。
導入の背景について、パーソナルソリューション部長の内藤肇氏は次のように語る。
「PCマニュアルの場合、同じ製品群の製品であれば、70~80%の情報が再利用可能です。しかし、制作の現場を見てみると、情報共有という面でIT化が遅れていました。もっと工数を短縮して、短期間でモノが作れるのではないかと。また品質面では、ヒューマンスキルに頼っている所が大きく、人によって品質に多少のバラつきがありました。 これでは量が増えた場合などに高い品質を保つことが難しくなってしまいます。人為的なミスや時間的ロスをなくし、尚かつ品質を平準化していくためには、自動組版によるデジタルワークフローの確立が必至でした」
内藤氏は、検討段階で複数他社のソリューションも検討したという。しかし、他社のソリューションはコンテンツマネジメントが中心で組版作業には適していないものや、XMLベースの組版ソフトであっても、パンフレットやチラシ作成などが対象で、実業務で運用するにはかなりのカスタマイズが必要な上、メンテナンスが煩雑であるなど、なかなか満足のゆくものはなかった。そんな時に出会ったのが、「NeoCore」を活用したProDIX+Adobe InDesignによる自動組版システムだった。
ProDIXは、Adobe InDesignのプラグインとして機能するXML組版エンジンで、Adobe InDesign上でXMLを使ってテンプレートを自動生成したり、データの差し替えや保存が可能だ。データ更新時には、変更箇所をそのままデータベース(NeoCore)に書き戻すことができるため、常にデータベースは最新の状態に保たれる。
「デモを見て、直感的に気に入りました。『スキーマ定義不要』という『NeoCore』ならば、不定形のデータにも柔軟に対応でき、私たちのような制作の人間でも、データベースを意識せずに手軽に扱え、非常に魅力的でした」(内藤氏)
プロフィールド株式会社代表取締役社長の植野博氏は当時をこう振り返る。
「やはり、タグやデータ生成といった"SEによる事前のオペレーションが不要"という点が決め手だったと思います。XMLネイティブの「NeoCore」をデータベースに据えることで、不定形のデータなどマニュアル制作のより細かなニーズにお応えできると思い、ご提案しました」
新システム導入にあたっては、従来使っていたAdobe社のPageMakerおよびIllustratorからInDesignへの変更、さらにMacintoshからWindows環境への移行も必要だったが、細部のオペレーションの違いはあったものの、作業への支障はほとんどなかったという。
システム概要と効果
現在、本格稼動に向けてトライアル期間中であるというが、既に導入効果が表れてきている。
パーソナルソリューション部 主任 新明睦子氏は、
「修正したデータをデータベースに簡単に書き戻すことができるのは非常に大きいですね。検索も速いので満足しています。特に効果を発揮しているのは、仕様一覧などの表の作成時です。セルの自動結合なども、XMLを使えば一発で流し込むことができますから、これまでの手作業に比べて大幅に時間を削減できますし、人手を介することで生じるミスもなくすことができます」と語る。
内藤氏は自動化によって、約20%の工数削減が可能と予測する。
これまで仕様表の作成の場合、まずメーカーから支給される全機種のExcel一覧を元に、各マニュアルの対象製品に絞った別のExcel表の作成が必要だった。
さらにそれをオペレータがCSV形式に変換して、DTPソフトに取り込んでいた。
ひとつの表の作成に10数時間も費やしていたこれらの作業が新システムの活用で、わずか10分足らずで行えるようになるという。
「これまで外注がメインだったDTPのオペレーションも今後は社内だけで対応することができるようになります」(内藤氏)
SIを担当したNECネクサソリューションズ株式会社の黒臼長武氏も口を揃える。
「不定形のマニュアルソリューションとしては、『NeoCore』を活用したProDIX+Adobe InDesignは、かなり完成度の高いソリューションです。今後はさらにその利用領域を広げていければと思っています」
今後の展開
その他にも導入効果は大きい。通常、マニュアル情報は、メーカーから一番早く届く製品情報でもあるため、その後、Webやカタログなどに転用する場合が多い。特に各媒体で必ず使われる仕様一覧は、今回、XML化が可能になったおかげで、他媒体チームが必要時にすぐに活用できるようになった。
また一度XML化して、「NeoCore」に格納してしまえば、スタイルシートを変更するだけで、まったく見栄えの異なるマニュアルを作成することが可能で、制作物のデザイン性や訴求力を高めるための工夫も自在だ。
今後は紙のマニュアルだけではなく、Flash等を活用した電子マニュアルの展開も検討しているという。また、PCマニュアルで得たノウハウをもとに、携帯電話のマニュアルなど、コンシューマ向けの案件にも活用していきたいと内藤氏は語る。
「コンシューマ向けのマニュアルの場合、フォーマットに拘束されない、柔軟な作りが求められます。そういう意味では、これからが本当の勝負ですね。自動組版にしたために誌面がつまらなくなったと感じていただきたくはない。その点、不定形のデータを取り込める、『NeoCore』ならば、自由に表現できると思っています」(内藤氏)
ライターとのインターフェースの統合に加え、制作プロセス管理システムの確立など、今後も積極的な業務改革に取り組んでいく構えのNECメディアプロダクツ。今後の成功のために、ますます「NeoCore」の活躍が期待されるところだ。
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