弊社代表・橋元を含む、4人の若手経営者の座談会記事が、コンピュータ・ニュース社が発行している「BCN(BUSINESSコンピュータニュース)」に掲載されましたのでご報告します。
今年は70年代生まれの若者が次々とネット企業を起こす空前の起業ブームとなった。彼らの建前と本音、価値観、考え方など、多くの読者にとって未知の部分も多いはずだ。本紙では、インターネットビジネスで起業し、着実にその知名度を高めつつある70年代前半生まれの若手経営者たちの座談会を開いた。
集まってくれた4人は、いずれも自分の意思で起業した経営者であり、今、注目を集めている渋谷周辺のネット起業経営者の多くとも、世代的に通じるものがある。
いわば、インターネットベンチャー起業家たちの等身大の姿ともいえるだろう。まずは、参加者の4人に自己紹介を兼ねて、起業までの決断について語ってもらった。
サムスルの渡邉裕晃社長は「母親が中国系インドネシア人で、子供のころから中国やインドネシアなどアジアを舞台にした仕事をしたいと思っていたんです。これが半ば『使命感』のように身体のあちこちに染みついているんです。しかし、そんな生活をするのには、まずは資金と人脈が必要でしょ。だから起業したんです。考えても見てください。平均的なサラリーマンは、一生あくせく働いても、平均的な生涯年収は約1億5000万円しかないんです。これでは自分の夢を実現できません。起業するまでは、ベンチャー企業で勤め、経営者の苦しみを身近に感じていましたから、起業すれば単純に金が儲かるとは思っていません。私の場合、その会社でインターネット広告事業を立ち上げる担当をしていたのですが、立ち上げる過程で、会社全体の経営が傾き、必要に迫られて、自分の開拓した顧客とインターネット広告事業を、そのまま受け継ぐ形で起業したのです。半分、必要に迫られた、やむを得ない理由での起業でしたが、平均的サラリーマンの生涯年収を考えれば、いずれ起業せざる得ない状況であったことには変わりありません」と、最初の起業は、資金集めと人脈づくりにあると話す。
主婦のネットワーク「ハッピーマザーネットワーク」を運営する興味津津の興津祥子社長は、「女性にとって結婚して子供を産むということは、男性が考える以上に大事件なのです。私の場合は、子供を産む前に、自分と社会の位置づけというか、自分の社会的な居場所や私を受け入れる器を、先につくってしまおうと思い起業しました。私にとって、会社は自分が安住する器であり、存在する場所ですから、会社を『継続』させることが最も大切だと考えています。自分の能力を社会に向かって放出できる窓口が、私のつくった興味津津といえるんです。しかし、自分の場所をつくるにもお金が必要なので、収益を得ることが必要ですが」と、収益よりも自分と社会とのつながりを起業に求めた。
慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科で、組織論を学んだ興津社長は「超個性派主婦による商品開発ネットワーク」づくりに力を入れている。主婦ネットワークによる商品企画会社は、大手が数社あり、後発になる興味津津では、パソコンをまだもっていない主婦の組織化に力を入れている。
「収益構造にも結びつくのですが、今の収益の柱は、主婦による主婦のためのパソコン教室です。都内に4か所開設しており、開設してから1年が経ちました。受講した主婦が、上達して自ら主婦にパソコンを教えるようになり、徐々にネットワークが広がっています」と、パソコン教室を巧みにつかって主婦の商品開発ネットワークづくりを手掛ける。
一般消費者にとって、おそらく最も露出度が高いパソコン最低価格情報提供サイト「価格コム」を運営する槙野光昭社長は「一生、遊んで暮らしたい......学生のとき、来る日も来る日も、こんなことばっかり考えていました。一生、遊んで暮らすには、どうしたらいいか?簡単なことで、一生分のお金を、今、この瞬間瞬間に稼げばいいんです。1分働くなら、1円でも多く稼ぎたい。そんなことを実現するには、起業するしかないでしょう」と、いたって単純明快な回答である。
沖電気工業で技術者として勤務した経験をもつ橋元賢次社長は、技術者らしい真面目な回答をしてくれた。 「純粋に金を得るだけだったら、リスキーだけれども、インターネットバブルの波に乗って、株を売り抜ければいいと思うんです。でも、私は違います。会社全体の目標でもあるのですが、Linux上で動くデータベース分野でトップ企業を目指します。こんな目標を実現するには、自分の会社をもってこそ実現できるものですよ。Linuxにおけるオラクルを目指して、社員全員が同じ方向を向いています。まさにこれが、会社経営の醍醐味ですね」と話す。明確な目標を掲げている点が身上だ。
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