営業・企画職のためのXMLレシピ 第1回:誕生までの歴史からXMLを理解しよう(前篇)

XML/XML DBのサイバーテック:連載コラム/営業・企画職のためのXMLレシピ

2010年11月9日
事業本部 副本部長 小野 雅史

はじめに

「XML」と聞いて「技術者じゃないから良く分からない」「敷居が高い」と感じた事はありませんか?世の中のXMLの解説本の多くは、技術的な内容に偏っており、技術が分からない営業や企画畑の人間にとっては理解できないものがほとんどです。このコラムは、そういった従来のXMLは異なるアプローチでXMLを捉え、技術に詳しくない方を対象に分かりやすくXMLのメリットや活用法を解説します。

1. XML(Extensible Markup Language)はマークアップ言語と言われるが一体何者?

【markup】 ― 名詞

意味:マークアップ, タグ付け《テキスト中に書体などの標識情報を埋め込むこと》

出典:研究社 英和コンピューター用語辞典

マニュアル(取扱説明書)などの文書を編集する過程で文書の余白部分に、印刷のための各種指示(主に書体や装飾、文字サイズに関するもの)を記号で付け加える事を「マークアップ」と呼びます。現在も「校正」の段階で文書に対する様々な指示がやりとりされていますが、現在もこの「マークアップ」という言葉が使われているかどうかは定かではありません。

しかし、大量の文書を効率良く編集するためにコンピューターが導入されると、「マークアップ」自体もコンピューターが理解できる記号にする必要があり、書式に関する指示を命令として文書の中に組み込まれるようになりました。これが「マークアップ言語」の始まりと言われています。このマークアッ言語の登場は、1960年代後半から70年代と言われており、その後1980年代にこのマークアップの考え方は、更に進化を遂げることになります。

2. SGML -文書の装飾情報と構造や意味を表現できるマークアップ言語

マークアップ言語が、単に文書の装飾に関する指示のためのものであれば、後のXMLの登場はなかったかもしれません。1980年代に入ると、文書の装飾に関する記号と、文書の構造や意味に関する記号を同時に表現する事ができるマークアップ言語が誕生したのです。SGML(Standard Generalized Markup Language)と呼ばれるもので、1986年には、ISOの国際標準規格に採用されています。これにより、文書を編集する際に実体(構造や意味)と装飾とを分離する、という概念が新聞やマニュアル(取扱説明書)などの大量の文書を扱う編集現場では当たり前になったのです。

3. 今回はここまで

マークアップ言語の始まりから解説してきましたが、XMLの登場は実はまだ先の事になります。SGMLが「印刷物の制作編集工程で、文書の実体(構造や意味)と装飾との分離」を規格化したその後、1980年代後半のインターネット普及に伴い、HTMLが登場しました。XMLの登場はその約10年後です。この流れが示す通り、XMLは印刷物の制作工程における編集作業やワークフロー、Webに代表されるインターネット技術の両方に深く関わっているのです。

私は、お客様との打ち合わせの場で「XML化すると何が良いの?」「手間と時間をかけてデータをXMLにするメリットが分からない」と言うお言葉を良く耳にします。しかし、原点に立ち返って考えてみて下さい。テクノロジーの進化はあっても、文書の編集や効率的に管理する手法は、30年前と変わらないはずです。今私たちができる事は、最新のテクノロジーやツールといった「調理法・味付け」でXMLという「素材」を活かした料理をお客様に提供する事です。次回から、それらレシピをご紹介していきたいと思います。レシピで取り上げてほしいテーマや、ご意見、アイデアなど大歓迎です。どしどしお寄せ下さい!

※参考資料
  • ウイキペディア フリー百科事典
  • 電子書籍メディア論・週刊イーブックストラテジー(発行者:境 祐司 様)7月28日号
の公開されているサンプルを参考にさせて頂きました。
http://design-zero.tv/2010/mailmagazine/sample/20100728/index.html

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