XMLデータをそのまま格納出来るXMLデータベース。前回は「構造化ドキュメント」について書きましたが、今回はもうひとつの用途である「メタデータ管理」について書きます。
そして、企業の情報管理においてメタデータは以下のように活用されています。
文書ファイルを例にとって考えてみます。文書の作成者や作成日付などのメタデータは、文書ファイルのプロパティとしてファイル内部で管理されています。この場合、これらのメタ情報は作成や更新のタイミングで自動的に付与されるものと、作成者が明示的に付与するものの2種類があります。
作成者が明示的に付与するメタ情報には、「検索キーワード」「分類カテゴリ」「関連ファイルのパス」などがあります。しかし、文書を作成するソフトやアプリケーションの制約で付与したくてもできないケースが発生します。また、ひとつの文書が複数の分類カテゴリに属していたり、文書管理主体が変更になった場合それらメタ情報を追加したり、更新したりする必要が出てきます。このような場合、メタ情報を外部ファイルに記述し、しかも項目の追加やメタ情報の更新が容易にできる拡張性の高いXMLデータフォーマットにすることで文書管理の効率化が図れます。
もちろん、CSVなど他のテキスト形式で保存することも可能ですが、XMLはCSVと比較して、階層的な管理ができる事、メタ情報の構造と意味の両方を記述できるという点で優れていると言えます。
さて、XMLで記述したメタ情報は、ファイルとしてファイルサーバの共有フォルダに保存すれば良いのでしょうか?
比較的小規模な組織の中で、数十や数百といった少ない文書や図面を管理するのであれば、EXCELで作成し実体ファイルへのリンクを記載するだけで十分と言えます。しかし、複数の組織や事業部門にまたがる文書でその数が数千~数万規模で存在したとしたら、もはやそれはEXCELやテキストファイルで管理する限界を超えています。情報を一元管理するための担当管理者が存在し、利用者の利便性だけでなく管理者の管理工数を削減する必要性がでてきた時に、システム化を検討することになります。
そしてシステム化の実現手段は以下の3つが考えられます。
1. 文書管理システム・図面管理システムを導入する事で大量の文書や図面の管理が効率化されます。一方で、今まで使っていたファイルサーバのデータやメタデータをすべて移行する必要があるため、移行の為の労力や工数が膨大になります。また、システムが提供する機能や仕様に縛られる事で、導入後に管理項目などを追加する事が困難なケースも見受けられます。
2. 検索エンジンを導入して、文書や図面を探しやすくすることも一つの有効な解決方法です。これは、既存のファイルサーバをそのまま利用できるので、導入が比較的簡単です。しかし、検索エンジンはあくまでも「検索」が目的であり「文書を管理、共有する」ことはできません。例えば版数が古い設計書も同じように検索されてしまったりします。
3. 企業活動(主にホワイトカラー)の生産性を向上させるには、部門間の情報共有をより円滑にする事が必要です。利用者は「目的の情報やデータに素早くたどりつける事」を求めますし、管理者は「組織や業務の変更にも柔軟に対応でき、様々なデータ形式や既存のファイルシステムからデータを移行することなくスムーズに導入できる事」を求めます。つまり、上記の1.と2.のメリットを両方実現できなければ本当の意味で情報管理の効率化は実現しないのです。
このような要件に対しては、管理するメタデータ自体をXMLで記述し、データベースで管理、既存のファイルサーバやシステムと連携する事で管理者の負担軽減と利用者の情報共有化するシステムが必要であると考えます。
最後に、メタデータをXMLデータベースで管理する事例やシステムをご紹介します。
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